心地よさは、見えないところから|SmoothToe™とParker & Taliaのものづくり

心地よさは、見えないところから|SmoothToe™とParker & Taliaのものづくり

創業者Valerieインタビュー【後編】

前編では、Parker & Taliaが、創業者Valerie(ヴァレリー)と二人の子どもたちの実体験から生まれたことをご紹介しました。

後編では、その思いがどのように商品へ形づくられていったのかをたどります。

つま先の縫い目を移動させたSmoothToe™の開発、着心地と耐久性の両立、感覚に配慮した服にも色や楽しさを大切にする理由。そして、Valerieが10代の一時期を過ごした日本へブランドが戻ってくることへの思いを聞きました。

縫い目を隠すのではなく、場所を変える

SmoothToe™の開発は、Valerieのシンプルな疑問から始まりました。

「つま先の縫い目が子どもの負担になるのなら、そもそも、なぜ縫い目はつま先を横切る場所になければならないのだろう?」

一般的なつま先の縫い目を目立たなくするのではなく、縫い目そのものを移動させる。SmoothToe™では、縫い目をつま先から約5cm下の足裏側へ移し、手作業でつなぎ合わせ、着用時にできるだけ平らになるよう仕上げています。

つま先に縫い目が直接当たりにくくなることで、靴下を履いたときの違和感を減らす。それがSmoothToe™の基本的な考え方です。


心地よさと、長く使えることの両方を

形にたどり着くまでには、試行錯誤がありました。靴下は伸び、足にとどまり、洗濯に耐え、子どもたちの日常の動きにもついていかなければなりません。

たとえば、縫い目の両端に残る小さな糸の処理。見た目にはほんのわずかな部分ですが、短く切りすぎると縫い目がほどけ、穴につながることがあります。

「とても短くすることも試しました。でも、心地よさだけでなく、実際に使い続けられる靴下にするためには、耐久性とのバランスが必要でした」

Valerieは、SmoothToe™について「靴下からあらゆる感覚を魔法のようになくすものではない」と率直に話します。大きな負担になりやすい要素を取り除いたり、位置を変えたりしながら、日常で使える商品にする。その現実的な積み重ねが、現在の形につながっています。

見た目より先に、「子どもが何を感じるか」を考える

Valerieが商品をつくるとき、最初に考えるのは、服がどう見えるかではなく、子どもが何を感じるかです。

服を裏返し、縫い目が重なる場所を指で確かめる。ゴムが身体のどこに当たるか、余計な厚みが生まれていないか、ラベルは本当に必要か、洗濯後に生地の感触が変わらないかを確かめる。別の縫製方法によって、刺激になりそうな部分そのものをなくせないかも検討します。

「自分にとって小さなことだからといって、子どもにとっても小さなことだとは考えません。それは、自分の子どもたちから学んだ、とても大切なことです」

家庭から始まり、家族や専門家の声とともに

Parker & Taliaの最初の商品は、医療的な開発や専門家のチームから生まれたものではありません。Valerieが、自分の家庭で実際に起きていた困りごとを解決しようとしたことが出発点です。

ブランドが成長するなかで、作業療法士、教育関係者、学校など、感覚に敏感な子どもやニューロダイバージェント(脳や神経の働き方に多様な特性をもつ)の子どもたちに関わる専門家とのつながりが生まれました。さらに、商品を使う数千の家族から寄せられる声も、学びと改善につながっています。

家庭から始まった一つの経験が、さまざまな子どもと家族の、それぞれ異なる困りごとを知るきっかけになりました。

感覚に配慮した服にも、色と楽しさを

Parker & Taliaの商品には、明るい色や楽しいデザインがあります。それは、Valerieが感覚に配慮した服を「特別な服」に見せたくなかったからです。

「子どもたちは、ピンクが好き、青が好き、虹色が好きと選んでいい。お気に入りを持ち、着ることを楽しみ、自分らしさを表現していいのです」

感覚への配慮は服が果たす機能の一つであって、その服のすべてである必要はない。着心地だけでなく、子ども自身が「これを着たい」と思えることも、Parker & Taliaが大切にしていることです。

横浜で過ごした少女時代から、日本の家族へ

Valerieは10代の一時期を横浜で過ごしました。二人の子どもの名前を冠したブランドを立ち上げ、そのブランドを日本の家族へ届ける日が来ることは、当時まったく想像していなかったといいます。

「日本は、Parker & Taliaが生まれるずっと前から、私の物語の一部でした。人生のまったく別の章が、いま再び日本へつながることに、不思議な巡り合わせを感じています」

日本の家族が、米国外でいち早くParker & Taliaを体験する家族となることを、Valerieは心から楽しみにしています。

「何かが合わない」という感覚を、信じる

最後にValerieは、衣服に困りごとのある子どもたちと、毎日それを支える保護者へ、次の言葉を寄せました。

「『何かが合わない』と感じるその言葉を、私は信じます。ほかの人には同じように感じられないからといって、不快であることを証明しなくてもいいのです」

時間に追われ、朝食や持ち物の準備が終わらず、靴下一足で家全体が止まってしまう。そんな朝に、子どもの感覚を受け止め続けることの難しさも、Valerie自身が経験してきました。

「子どもに、もう一つ何かを我慢できるよう教えることだけが答えではありません。子どもを変えるのではなく、服を変えることで、その日の負担を減らせるのなら、そうしていいのだと思います」

子どもの感じ方を信じ、服の方を見直す。家庭のなかの一つの問いから始まったその考えは、いま日本の家族へ届けられようとしています。

・前編を読む:https://parkerandtalia.jp/blogs/column/founder-interview-part1

・Parker & Taliaの商品を見る:https://parkerandtalia.jp/#products